不動産の相続 誰に名義変更をするべきか
父がなくなり、相続人が母と子供二人の計三名である場合、不動産の名義は誰に変更するべきでしょう?
相続人の皆様での話し合い(遺産分割協議)により、相続した土地や建物を誰の名義にするかは自由に決めることができます。
例えば、お母様単独の名義にしたり、お子様単独の名義にしたり、法定相続分通りの名義にしたり、状況により適した形で名義変更をすることが可能です。
以下、それぞれの名義変更によるメリットやデメリットを解説していきます。
1 お母様単独の名義にする
遺産分割協議により、不動産の名義をお母様一名に変更する方法です。
メリット
・お母様の居住場所がご自身の名義になり、安心して暮らすことができる
・不動産を子供の内誰が引継ぐかを決めかねている場合、お母様の相続時にあらためて話し合うことができる。
・配偶者控除の特例など、相続税の対策ができる場合がある 等
デメリット
・お母様が亡くなられたさいに、再度相続手続きが必要となる
・将来不動産を手放したいときに、お母様がご高齢となり判断能力の衰えがあった場合に不動産の売却が困難となる 等
2 お子様一名の名義にする
遺産分割協議により、不動産の名義をお子様の内一名に変更する方法です。
メリット
・最初からお子様名義にしておくことで、お母様の相続の際の手続きが不要となる
・不動産を手放す際に、売却手続きをお子様一名で進めていける 等
デメリット
・後で他の相続人に名義変更をすることが難しい
・万が一お子様が差し押さえ等を受けた場合、不動産に住んでいるお母様の居宅がなくなる恐れがある
・お母様より先にお子様が亡くなられてしまったときの手続きが複雑となる 等
3 法定相続分通りに名義変更する
法律によって定められた遺産相続の割合により、不動産を共有する方法です。
今回のケースは、お母様2分の1、お子様がそれぞれ4分の1の割合で不動産を共有することになります。
メリット
・各相続人の不満がでにくい
・遺産分割協議が不要となる 等
デメリット
・不動産売却のさいに名義人全員の関与が必要となる
・相続に次ぐ相続により名義がバラバラになってしまい、手放すことのできない不動産になってしまう可能性がある 等
相続というと、法定相続分通りに手続きをすれば間違いないと思われがちですが、実は法定相続分による不動産の名義変更(共有名義)はあまり一般的ではありません。
今回の場合で言えば、遺産分割協議を経てお母様の単独名義若しくはお子様一名の単独名義にするケースが多いです。
しかし、それぞれにメリットデメリットがありますので、一概にどの方法が良いとは言えない部分があります。
不動産の相続により、誰に名義変更すべきかを悩まれている方は、よろしければ一度当事務所にお問い合わせください。
状況に合わせてどのような方法をとれば良いのかを詳しくご案内させていただきます。
ご予約により無料相談も行っていますので、お気軽にお問い合わせいただければ幸いです。
2024年3月19日
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